軽口雑話 第30話 | ドリアンフリーク3 | ![]() |
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先日大家さん夫婦が表敬訪問でやって来ました。いろいろな話をして、そのうち大家さんが”食べ物は大丈夫ですかこちらの物を食べられますか?”などと聞きました。”最近はたいがいの物が食べられるようになりました。今の季節はドリアンが美味しいですね。”と言って”幻の紅蝦のD69とか猫山王D101が最高だと思います。”などと仕入れて間もないドリアン知識を披露しました。大家さん曰く、”いやいやD何番などと点けられた物ではなく無番のドリアンが最高なんですよ。”と言いました。”カンポン(田舎)のドリアン農園へ行って、朝取れた無名のドリアンを食べるのが最高です。一度行って試してご覧なさい。” ですぐに行った訳では無いのですが。Aさんからのお誘いでパンコール島へドライブすることになりました。帰り道、何処か街道のドリアン売りを見つけて食べましょうと言うことに、当然のようになりました。パンコール島の対岸ルムッからの帰り道、100Kmほど南にさがったあたりでドリアン売りを見つけました。もう真っ暗でした。 ”何国人ですか?韓国、日本?”と聞かれました。”日本人ですよ。三つください!””ここで食べたいのですが。”というと隅の小さな机の周りにある椅子に座らされ、凄く嬉しそうに面倒をみてくれました。 彼らは道路にそのまま山にしてあるドリアンの中から良さそうなものを選んでちょっと割り、差し出します。本来は自分で選ぶわけですが、まだ自分で選べるほどドリアン選びに練達していないのでお任せしました。こちらは、差し出されたドリアンのわれ目に親指と人差し指をつっこんでちょっと身をつまみ出し試食をします。好みにあっていればOKで、すぐに割ってくれます。気にくわなければNOと言うと、そのまま惜しげもなく捨ててしまいます。もちろん捨てたドリアンの代金の請求は来ません。日本では考えられないことで、なんとも素晴らしいルールです。二つほど拒否しました。 割ったドリアンを並べ、はじから手づかみで”旨い!”とか”ちょっと苦みがあって良い!”とか講釈を並べながら食べます。最初の一個は猫山王(D101)風のちょっと苦みのある味で最高でした。次の2つは少し水っぽかったもののD24系の苦みのない甘いドリアンでした。どれも最高でした。ちなみに一個RM5ですから全部でRM15です。都会で食べるドリアンの1/3の値段です。ドリアンの最盛期にはRM2まで下がるそうです。 カンポンの裸電球の下で味合うドリアンはまさに南国の夜を満喫させてくれました。 大家さんが言っていた名無しのドリアンの味とはこんなに旨いのかと、改めて感心しました。彼の言った事は本当でした。 この次は朝味わってみようと思いました。 |