軽口雑話 第31話 | 日本人に違いない! | ![]() |
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お手伝いしている会社の仕事で、マレー人のアブドラ君とある日系会社に行きました。彼の通称はドラ、背が高くてハンサムで気のやさしい人です。以後はドラ君と書きます。今回の仕事は機械の改良でした。主に電気部分で、ドラ君には穴あけや取り外し、取り付け、配線ををやってもらいました。私はシーケンサーのソフトを改良します。無事仕事が終わって片付けに入りました。私は、配線で出来た細かいゴミを拾っていました。ドラ君はインド人の女の子にくずかごを持ってきてもらい片付けながら何やら話し込んでいます。取りあえず綺麗に掃除をしてお仕舞いにしました。 帰りの車に乗り込んで彼がけらけら笑って私に話しました。さっきのインド人の女の子がドラ君向かって”あんたは日本人か?”彼は答えて”いやマレー人だ。マレー系マレー人だ。みればわかるだろう!”と言い返したそうです。彼女は”いいえ、あんたは日本人に違いない。絶対に日本人だ!!”といわれたそうです。そこで私も一緒に大笑いしました。 彼が何故けらけら笑っているのかおわかりでしょうか。これが笑えるようになるにはマレーシアでの長いつらい体験が必要です。 ホリデイビラに一年も住むと、部屋の設備があちこち傷んだり、水が漏ったり、スイッチが壊れたり修理するところが出て来ます。そのたんびにホテル側に頼んで修理屋を呼んで直してもらいます。ちゃんと直るときもあるし、直らないときもあります。それはさておき、仕事が終わると彼らは散らかしたまま帰ってしまいます。こちらは頭へ来て”掃除をして帰れ!”と文句を言ます。”私の仕事は修理すること、掃除をしにきたのでは有りません。ハウスキーパーを呼んで掃除してもらって下さい。”と言って取りあわずさっさと帰ってしまいます。 日本では仕事をしたらかたづけて綺麗にして引き渡すのは常識ですが、こちらではこれが非常識のようです。多分インド系の人達の価値観、カースト制度の影響が残っているのかもしれません。普通のマレー人達(マレー人、華人、インド人)は仕事をしてもちらかしたまま帰ってしまいます。仕事をして自分たちで綺麗にして帰るのは日本人ぐらいしかいないのです。 ドラ君は日系の会社で仕事をして綺麗に後かたづけをして帰るのが習慣になっています。印度系の労働者が多いこの日系の会社の女子社員はそのことをよく知っていて”あんたは日本人か?”と皮肉を言ったのです。 これを頭に入れた上で少しは笑えたでしょうか!やっぱあんまり面白くない?!!。 |