軽口雑話 第33話 | ワンタンミー | ![]() |
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ラーメンは、毎日食べても飽きない食品の一つだと思います。日本ではまたラーメン好きの凝りようも大変な物です。やれあそこの店は汁が旨いとか、やれダシの取り方が良いとか、やれ麺が細いとか、やれ具が良いとか。ラーメン好きにしゃべらせたらきりが有りません。 日本のラーメンの様に何処へ行っても食べられるものにワンタンミー(ミーは麺の意味)が有ります。日本のワンタン麺にあたるものですが、こちらでは日本より一般的です。ワンタンミーにはドライとスープがあって、単にワンタンミーというとドライのことを指します。ドライは焦げ茶いろのソースで麺をからげた焼きそば風です。それに小さなお椀にワンタンを入れたスープが付いて来ます。ワンタンミースープは汁麺のことで、麺はちょっと細めで堅め、つゆが透き通っていて、だいたい日本のワンタン麺と似ています。またワンタンもお店によっていろいろで、普通は日本のワンタンと殆ど同じですが、揚げワンタンを入れるところも有ります。ただし揚げワンタンが入っているところは味がいまいちです。中華屋なら何処にでもあるメニューなので仕事で遠出をしたときなどもっぱらワンタンミー専門です。さっぱりしてとても美味しいです。 華人のチャンさんと中華街に遊びに行きました。ちょっと小腹が減ったので何か食べに中華のカフェに入りました。私達はワンタンミースープ、チャンさんはワンタンミー(ドライ)でした。チャンさんに聞いて見ました。”ワンタンミースープは食べないの?”彼曰く、ラーメン好きの台詞と変わらない答えが返って来ました。 ”ワンタンミースープの本当に美味しい物は殆ど食べられない。麺をゆでるときの取り出すタイミングが大切で、麺が溶け出すまでゆでると美味しくないし、また早すぎてもかん水の匂いが残り美味しくない。かん水が抜けて、麺が溶け出さない瞬間に湯から揚げないと美味しい麺にはならない。この辺(中華街で)でこのタイミングを旨く操れる人はいない。私の父が作ってくれた程の麺が食べられないので、いっそのことワンタンミー(ドライ)にしているのです。””なるほどここにも食通はいるものだ。”と感心しました。 |