軽口雑話 第43話 KLズッコケ修理屋2   
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≫ KLズッコケ修理屋2(第43話)

 「吉川さん!うちの機械止まっちゃって生産できないんです。すぐ来て直してください。」
 クランの奥のほう、海に近いところにその工場があります。車で30分ですが、渋滞すると1時間掛かります。飛ばしましたがやはり渋滞に引っかかりました。
 工場に着く早々見せていただきました。
 「うちの機械屋に見せたのですがお手上げです。よろしくお願いします。」  動かなくなった機械は、高速プレスで、オートにしてスタートをかけるといつまででも、生産し続けます。
 「どういうふうにして動かなくなったのですか。」
 「はい、突然止まってしまって動かなくなりました。」やっぱり
 「図面を見せてください。」
 「図面はこれしかないんです。」ぼろぼろになった図面をみせてくれました。ぼろぼろのわりに3種類ほど載っています。
 「どの図面がこの機械なのですか。」
 「分かりませんこれじゃないかもしれませんが...。」参ったな!
 「それじゃ配線を追っかけてみます。」
 機械はかなり古いものでリレーシーケンスで動かしています。PLCなんかですとRS232CでPCと繋げてシュミレーションでみるとすぐに悪いところは判別出来ます。この場合は、線をひとつひとつ引っ張り出し追っかけなくちゃなりません。
 まず手順として機械の周りを回って何がどう繋がっているか確かめました。  リモコン(リモートコントロール)の線が出ているところを見つけました。比較的新しいコネクターが付いているので近年のもののようです。とりあえずこれをチェックしました。コネクター部は油でべとべとです。接点部分を掃除して、試してみました。動き出してしまいました。
 オペレーターを呼んで確かめてもらうOKでした。結局15分で解決してしまいました。
 担当者に事情を話し、電気の接点部分に油をたらさないよう、お願いして帰りました。
 2日後、また電話がかかり昨日1日動いたのですが、またぴったり止まってしまって動かなくなりました。
 「どういうふうにして動かなくなったのですか。」
 「はい、突然止まってしまって動かなくなりました。」前回と同じ反応です。、
 今回は分からない図面を参考に、線をひとつずつおっかけました。
 プリセットカウンターのところで回路がオープンになっています。プリセットカウンターの液晶画面は何も表示がありません。まるで電気が入っていないようです。ためしにプリセットカウンターのリセットスイッチを押してみました。動き出しました。
 昔の液晶は、20年もたつと全く消えてしまうのだと落胆するやら、おかしいやらでした。
 でもカウンターを新しくしましょうとか云う話にはなりません。古い機械を使っているところほど部品を新調するのをいやがります。聞いてみると、そういう所にお金を使うと古い機械を使っている意味がない。その出費は駐在さんのマイナス点になるそうです。????




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