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ハチドリが 部屋に巣を作った!
by Macky
ー部屋の鉢植えのランに巣を作り雛を育てるハチドリー

≫ ハチドリ

 マレーシア移住のスタートは、クアラルンプル近郊のスバンジャヤのホリデイビラ・ホテルに滞在し、安定した住処を捜すつもりでいました。
 1週間ほど滞在した頃、ホテル側から安くするから月極で滞在しないかと云う申し出でがあり、これに乗りました。
 この頃はちょうどサーズ(流行病)の流行で、ホテルは空室だらけでしたので、 ホテルには人が滞在している必要があったようです。あまり居心地が良かったので1年半も居座ってしまいました。
 ホテルの隣にあるサマービラ・コンドに住んでいる日本人の方から”私は日本に帰るので、そこに住まないかという提案があり、中を見せてもらい決めました。広さは185平米、大理石の床、4寝室、35畳もあるダイニング、トイレ・シャワー2つ、風呂、納戸、で家賃は2000リンギット(6万円)等、2人で住むには十分過ぎる広さでとても安く感じました。
 ホテル住まいからこのコンドへ引っ越した当時は、暑さに慣れず(ホテルでは常にエアコンが効いていたので....)部屋の窓を全部閉めてエアコンを点けっぱなしでした。
 慣れてくると、時々、クーラーを止めて窓を開けっぱなしにしていました。コンドは11階でしたので蚊もほとんど入ってこず快適でした。
 私たちもだんだん外気に慣れてくるにつれクーラーは寝る前の1時間ほど寝室を閉め、部屋を冷まして、寝る時はスイッチを切って寝る。そんな習慣になってしまいました。

 寝る時も、居間の窓を少し開けていました。するといつの間にかハチドリが 部屋の中に置いたランの蜜を吸いに来るようになりました。
 人が居ても、恐れることなく勝手に部屋の中の花に止まるようになりました。
 かみさんも大喜びで、彼らに家にある植木鉢のつるをブランコのように作り、止まり木になるように仕立て窓際につるしました。
 すると思ったとうりこのブランコにとまるようにになりました。
ー 巣の位置が窓側にあるので写真はすべて逆光になってしまいます。ー
 そして時々雄もつれてくるようになりました。

 いつの間にか、このつるに、ミノムシの巣のような物を巻き付けるようになりました。(写真下)よく見ると巣を作っているようなので、なるべく刺激しないように、だまって観察することにしました。
 蜘蛛の糸のような物はハチドリが口から出す唾液のようなものだ。と何かで読んだ記憶があります。蜘蛛の糸を運んで来て作っているのなら、蜘蛛さんもさぞかし災難だと思いました。何しろ蜘蛛から見ても半端ない量になりますから。
蜘蛛の糸みたい
もうちょっとで完成

ー巣を作り始めてからちょうど2週間で、巣が出来あがリました。ー

 巣が出来あがるとすぐに巣に入り卵を産み、暖め始めました。
 時々、雄がそばに来て見守っていました。私たちもなるべく刺激しないようにしていました。
ー巣作りがぴったり2週間で完成し同時に卵を産み、さらに2週間暖めて雛が生まれました。ー

 雛が生まれると親鳥は急に忙しくなります。常にえさを運び雛の口に入れています。時々雄鳥も来て手伝っているようでした。
 見ている私たちもこの時が一番気を遣いました。

 生まれてからぴったり2週間で雛が巣立ちました。巣立った時は見逃しましたが、雛も居なくなり親鳥たちも訪ねてくることはなくなりました。ちょっと寂しい気持ちになりました。
 巣はそのままにしておきました。
 それから一月もたつとまたハチドリがランの花に遊びに来るようになりました。

最初のハチドリが作った巣
   
2度目のハチドリが飾り立てた巣
 さらに一ヶ月がたちました。別のハチドリがこの巣に目を付け、巣の外側に鳩の胸毛などをくっつけ巣を整え、前と同じ巣の中で卵を産み、2週間で雛にかえり、2週間で巣立って行きました。
 人間から見てハチドリはすごく良い鳥に思えます。それは、鳩の巣などは下の写真のように糞まみれで不衛生ですが、ハチドリは糞を自分で巣の中や周りに散らかさず、遠くへ運んで行き、まるで巣がないかのごとく周りが綺麗です。
 家の中で巣を作って生活しても、人の側から見て、邪魔にならず、衛生状態も良く、とても始末が良いです。
     

巣の下にも糞はありません
同時期に鳩がエアコンの室外機の裏に巣を作り子育て中の写真です。糞だらけで、臭いもきつく巣立った後は巣を作れないように掃除をしました。
 ハチドリは巣の中や周りに糞は一つも落ちていません。多分外敵から守るためと思われます。
 それからもハチドリが来ることを期待したのですが、ランに遊びに来ることはありましたが、部屋に寄生したのは、これが最後でした。

 ハチドリが部屋に巣を構え、卵をかえし、子育てして巣立つのを2度も見る事が出来ました。
 本当にマレーシアでのすばらしい体験の一つでした。



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