マレーシア移住 第25話 | ジャングル・ジョギング | ![]() |
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Kさんから、「吉川さんジョギングやりません?ジャングルをジョギングするんですよ。毎週金曜日6時から走り始めるんです。」Kさんからお誘いを受けました。 10年ほど前までは毎日ジョッギングを欠かしませんでした。青梅マラソンでひざを痛めて以来水泳に転向していましたので、今更という気もしましたが、ジャングルの中を走るということでその気になりました。 「6時からって、夕方の6時?」 「そうです。真っ暗になってしまいますので懐中電灯が必携です。走るといっても歩いて終わってしまうことが多いです。」 結局好奇心にかられ参加することにしました。 Kさんから持参するものを教えてもらいました。 ランニングシューズ(あまり綺麗でないほうが良い、)、ランニング用シャツ(袖なしの涼しい方がよさそうですが、露出部分が多いと蚊の標的になります。)、ランニングパンツ、長めのソックス、小型の懐中電灯、着替えのシャツ、パンツ、短パン、タオル、着替えのゴム草履、折りたたみ式の小さな椅子など。結構小道具もいります。あとでわかったことですが、黒い色の衣類は蚊の標的にされます。したがってシャツやパンツ、靴下には黒のものは厳禁です。 Kさんの工場に行き、つれて行ってもらいました。 出発時に30−40リットル入りのポリタンクに水をいっぱい入れて車のトランクに入れます(結構な重さがあります。)。これはランニング中ものすごい汗をかきますので、シャツはぐっしょぐしょになります。であすから走り終わった後、頭から水を浴びます。Kさんは石鹸も常備していました。 参加はこれで4回目になります。その日はラワンの先のジャングルでした。KTMのラワン駅を過ぎ、線路を左に見ながらイポー方面に向けて10Kmほど走りました。街道から右にそれ、カンポンをいくつも通過して山道を行きました。 良く晴れていて雨の感じがありません。前回、メンバーになると約束下のでこの日はまずRm200(入会金RM50、3ヶ月分RM150)を払って入会しました。この会の名称はDHHHです。ビジターでの参加は、一回RM35ですからメンバーになると一回分はRM12.5と格安になります。この料金は、参加費とジョッギング終了時の水、ジュースの飲み放題、ビール小瓶3本、一番最後の食事代が含まれています。 |
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6時丁度から歩き始めました。走って出発する人もいます。しばらく歩くとじっとりと汗が吹き出てきます。だらだらのハイキングコースのような道を登って行きました。
2−3度ミスコースがあった後、少しずつのぼりがきつくなっていきました。30分も歩くと体が柔らかくなって、調子が出てきます。前からも離れ、後ろもずっと離れるようになってしまいました。一人旅の始まりです。 幅5メーターほどの澄んだ小川が道を横切っていました。目印の紙切れは、小川の向こうに転々とあります。 一人や暗くなっても迷わないように世話役の人があらかじめ紙切れを道筋に点々と撒いておいてくれます。紙は7−10cm角くらいの大きさです。 小川に足を突っ込みました。すねまであります。これを渡って歩き出すと靴がグチョグチョで気持ちが悪いこと。でもしばらく歩くと慣れて平気になります。かなり登りがきつくなってきました。ススキとシダが両側から生い茂ってトンネルのようになっています。 やがて頂上と思われるところで不注意にも泥水に足を突っ込んでしまいました。さっき小川を渡って靴が乾いてきて調子よくなったのに今度は泥水です。右足がかなり重くなったような気がしました。しばらく平地を歩きましたが、下りが始まりました。 少し下るとわだちのある広い道に出ました。ここから左に下っていきます。やれやれこれで終わりかなと思うと大違い、しばらく下ると紙は右に行っています。見上げるとものすごい垂直に近い登りです。これに紙が転々と撒いてありました。200mほど登ったあたり、一番上のほうに先へ行った人が見えます。「まだ追いつく!」そう思ったのですが、この登りはきつかったです。ジョギングという言葉はどこかへ行ってしまいました。ただ歩くのみでした。足が思ったほど速く動きません。登り切ると前の人は影も形もありませんでした。しばらく歩くとまた同じような登りがありました。 |
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その後4回ほど急な登りを繰り返してやっと下りになりました。これがどうやら2つ目の山の頂上のようでした。見上げるともうひとつさらに高いところにピークが見えました。しばらくするとまた登りが始まりました。かなり高いところまで来ています。すっかり暗くなっていました。ただ山肌を歩いていましたので、足元はよくみえました。時々大音響を響かせて虫が鳴きます。赤道直下の虫は、何でこんなに大きな鳴き声を出せるのだろう。それに日本の虫の様に情緒がない。まるで壊れて鳴り止まない学校のベルのようです。それがあっちでもこっちでも鳴いています。「うるさい!」 が実感でした。やがて登りにうんざりしてきた頃頂上付近を通過しました。ようやっと下りになりましたが、茂みのところを通ると真っ暗闇になります。車を出るときまで懐中電灯を用意してきたのですが忘れてきたのが悔やまれます。でも目印の紙切れが蛍光塗料のように白く光って行く先を示してくれます。スピードは上がりません。 時折、蛍がチカチカチカと目の前を横切ります。「わあー蛍だ!」ちょっぴり感激です。ただし点滅速度はものすごく速く1秒間に3回くらいの速さで点滅します。この山のくだりはほとんどくねらず、まっすぐに降りています。時折見える夜景の美しいこと、しばらく足を止めて見ほれてしまいました。またKLでは、お目にかかれなかった星がいっぱい見えました。オリオン座や白鳥座など懐かしい気がしました。 一人で真っ暗闇を歩いているにもかかわらず怖いという気持ちがわいてきませんでした。星明りで時計を見ると8時半になろうとしています。「着くのは9時過ぎかな!」 かなり下った頃Y字路で紙のないほうへ歩いしまいました。 引き返したところ後ろから来た華人の若い2人組に出会いました。ここからは、3人組になりました。20分ほど歩いて出発地点が見えてきました。 「おーい」 「おーい」待っている人たちから返事が返ってきます。そのうち向こうから 「ホーッ」 こちらから「ホーッ、ホーッ」すると周り中から「ホーッ」の大合唱が始まりました。 「これは本物が鳴き出した!」何の鳴き声かわかりませんが、3人で大笑いしました。 |
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出発前に車の鍵を預けていきます。かえってくると鍵を受け取ります。残っている鍵の数で自分が何番目ぐらいか見当がつきます。鍵を取りにいくと最後の一個でした。一緒の二人組みはもう取っていった後でした。
Kさんは、30分も前についたそうです。もう水を浴びてさっぱりした顔で出迎えてくれました。 「吉川さん、水残っていますから体洗ってください!」「ありがとう!そうします。」出発時に入れた水です。タンクの水は半分残っていました。あたりは真っ暗でした。車の陰ですっぽんっぽんになり、泥んこの靴と靴下を脱ぎ、スリッパを履いて、残しておいてくれた水を頭から浴びました。何度も何度も水をかぶり、体を拭いて持ってきた着替えのシャツに袖を通して、さっぱりしました。集会をやっているところへ行きました。 |
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世話役の人が「吉川さん今日からニューメンバーだから前で乾杯してください。」
呼ばれて紹介され紙コップいっぱいのビールを渡されました。台の上に立って何か言わなければなりません。「吉川です。歩き終わってキーを取りに行ったら最後のひとつでした。でもとっても楽しみました。メンバーになれて感謝しています。ありがとう!」英語で言わなければなりませんから、あんまり長い演説をするとボロが出そうで短く終わりました。無事乾杯が終わってビールを飲み干すと台から降りました。何人か寄ってきて「ウェルカム・ダマンサラ」といって握手を求められました。とてもうれしい気がしました。 そのあとオーストラリア人が台に乗ってジョークを言ったり、罰ゲームで氷の上に座らされたりする人などいて、楽しい集会を終えてレストランへ移動しました。 ジャングルから抜け出して、ちょっと走るとこんな田舎でも全員(60人くらい)を収容できるレストランがあります。食事のうまいこと!いくらでも食べられます。食事の終わる頃ビールの一気飲み競争が始まります。毎回これがものすごいのですが、これは又の機会に書きます。もちろんビールの一気飲みは割勘でした。11時ころお開きになり車で帰りました。 |
DHHHこれが主催する会の正式名称です。 DHHHというランニングクラブが主催していて毎週金曜日(出走夕方6時です)が走る日になっています。正式名は"Damansara Hash House Harriers”です。会の回数が1150台ですからもう21年以上の歴史があります。ランニング場所は毎週違うところで、案内はメールで来ます。次回の案内がメールで送られてきます。 またどんな土砂降りでも走りますので、欠番になることはありません。 私も初回のとき5時30分に到着。現地は雨が土砂降りでした。河原さんの車の中で着替えながら「こんなすごい雨でも走るんですか。」と河原さんに尋ねると、「当然ですよ。」という答えが返ってきました。 6時ちょうどになると、土砂降りの中、先導の人とともにみないっせいに走り始めました。とりあえず私たちも走りはじめました。最初から全身ずぶぬれ、靴にも水が入ってグチョグチョになってしまいました。全員平気で走っていました。わたしもそれに続きました。 ・・・・・ 。 もし参加ご希望があるなら、下記”お問い合わせ”からコンタクトしてください。現地と連絡を取ります。暗闇のジャングルを走るのもいい経験になると思います!!!。 |