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 お正月6日夜のパリのシャンゼリゼ通り、前日雪が降ったせいでものすごい寒さでした。さすがにこの通りは雪が取り払われていましたが、夜の照明の美しさは世界一!ですね。



目次
1 プロローグ
2 ナポリ・ポンペイ
3 ローマ
4 ローマからシュツッツガルトへ
5 シュツッツガルト
6 パリ
7 雪のヴェルサイユ宮殿
8 ルアーブル
2002年12月31日〜2003年1月8日


≫ 1 プロローグ



 今回のルートは、ウィーン経由ローマが入り口、パリが出口です。ローマ空港で降り、空港前の歩道橋を渡って国鉄に乗り、テルミニ駅へ向かいました。ホテルインホメーションが閉まる寸前でしたが、強引にホテルを手配してもらいました。ホテルはスペイン広場のすぐそばなので地下鉄で行くことにしました。地下鉄は12月31日のため間引き運転をしているらしくなかなか来てくれません。前にリックを前にしょったカップルが目とあごで私に合図をしてくれます。隣にいる連中は集団スリでこちらをねらっている。そんな感じの合図でした。隣をみるとそれらしき数人がいます。有り難うを言って、心を引き締めました。長旅の疲れは吹っ飛んで緊張しました。駅は人であふれかえっています。やがて電車がきて乗り込みました。荷物が有るのでなかなか中へは入れません。スリの連中はぴったりとついていました。突然電車から降りて次のドアへ向かい後ろを振り向くと四人がぞろぞろとついてきます。一回乗ったふりをして連中が全部乗ったのを確かめドアが閉まる寸前飛び降りました。一人が腕をとって電車に引っ張り込もうとしました。ふりほどいて電車を降りると、ドアが閉まり集団スリを乗せたまま発車しました。取りあえず難を逃れました。ホームで興奮を冷まし、地下鉄を出てタクシー乗り場へ向かいました。後で考えると、私に注意してくれたカップルがなぜリックを前にしょっていたか理解出来ました。タクシー乗り場に着くと年配の運ちゃんがタクシーから出てきて30ユーロだと言いました。高いと文句を言うと今日は非番なのに出ているのだからこれでも安いと言います。高すぎると断わりました。次に若い運ちゃんがよってきて25ユーロでどうだと言いました。20ユーロなら乗るよと言うと。OK!交渉成立です。運転席の隣に乗って出来ない英語で、奥さんはどうしているとか子供はいるのか話しかけ物騒な事にならないよう気を配りました。スペイン広場でタクシーを降りようやく”ねぐら”となるホテルにたどり着けました。





≫ ナポリ・ポンペイ


 旅の初日2003年1月元旦はゆっくりと起きました。ローマの元旦の朝は、東京と同じであまり動きがありません。それなら鉄道に乗ってどこかへいってしまえ。というわけで、イタリア国鉄に乗りユーレイルパスのはじめの1日を使いました。ナポリ経由ベポンペイに向かいました。ナポリの駅前でうまいピザとスパゲッティを食べました。スパゲティはトマトのみのシンプルな物を頼みました。日本そばも”かけ”または”ざる”で食べるのが一番おいしいのと同じだと思いました。とても美味でした。

 再び電車に乗りポンペイへ行きました。遺跡には正月休みで入れませんでした。遺跡見物ははまたの機会にして、もっぱら気楽にポンペイの町を歩き周りました。風がさわやかで気温も正月なのに暖かでした。地中海の空の青さは今でも目に焼き付いています。






≫ ローマ



 ローマのホテルは前回の時のホテルに近くでもっとスペイン広場よりでした。ホテルの入り口は写真の様に全くホテルとは思えません。ベルを押して戸を開けてもらいます。ホテルの内装はプチホテルにしては凝っていて重厚さを感じさせます。朝食も奥様製で美味しいものでした。
 ローマにも焼き栗屋があります。焼き上がるのを待って一袋買いました。フランスにも焼き栗はありましたがイタリーで食べるものの方が美味しいと思います。
 正月のローマは、込んでいるだけであまり面白くないので2日にはローマを発つことにしました。ポンペイからローマのテルミニ駅に帰り着いたところで翌日の8:30発の特急ミラノ行きユーロスターを予約しました。昨年の旅行のミラノからの旅の逆になります。そして前回は地中海沿岸を旅したので今回は、大陸の中央を行く事にしました。ミラノで乗り換えスイスを突っ切ってドイツのシュツッツガルトを目指しました。





≫ ローマからシュツッツガルトへ



 ローマ発8:30のミラノ行き特急のりました。特急列車は、全席指定で一等は横3席しかなく、ゆったりとしています。急がない時は普通急行で行きますが今回は乗る距離が長いので急げるところで時間を稼いでおきます。正午にミラノに到着しました。30分の待ち合わせでドイツのシュツッツガルト行き普通急行に乗りました。この30分の間にしっかり昼食のサンドイッチを買っておかないとシュツッツガルトまで断食になってしまいます。走り回って買いまくりました。一等のコンパートメントは独り占め状態、快適そのものです。サンドイッチをつまみながらコモ湖を眺め、スイスに入ります。とたんに町のゴミがなくなります。どうしてイタリアは町にゴミが多いのだろう?山間を縫って快調にとばします。ベルンをすぎドイツに入ったところで電車は止まってしまいました。外は大雨です。そういえば前の日のテレビでドイツは大雨で洪水、水のでた市内の様子を写していました。家の前まで水が来て子供が釣り竿をたれている場面が思い出されました。案の定川の水位が上がって鉄橋が渡れないとのことでした。30分もしたころ、車掌が飛んできて、バスに乗れといいます。駅を出てバスに乗ろうとして隣の人に”このバスはシュツッツガルトへ行くのか、”と聞くと彼はI hope so!と答えてくれました。一緒にバスに乗り込んだのですが、返事が妙に気に入ってしまいました。バスに乗ると誰一人文句を言う人もなく発車を待っていました。日本でこんな状況を想像すると何人もが駅員に食ってかかる場面を思い起こしてしまいます。ここは大人の国だなあと思ってしまいました。バスは、アウトバーンに乗って1時間半でシュツッツガルト駅へつきました。一斉に拍手が起きました。





≫ シュツッツガルト



 シュツッツガルトの駅でバスを降りると、土砂降りでした。この雨の中、ホテル探しを考えるとうんざりです。駅を見上げるとホテルの看板があり駅舎の中にホテルがあるようです。ここに決めよっ!ホテルはドイツ国鉄の傍系でリーズナブルな値段で泊まれました。電車の音がうるさいのではと心配しましたがとても静かでした。部屋も、ベッドやバスタブも大きめでゆったり出来ました。ラテンとゲルマンの体格差を感じてしまいます。
 前日の土砂降りは、打って変わって青空が広がりました。内陸ですからもっと寒いと思っていましたが、余り寒さを感じません。
 この町は活気があって清潔です。建築現場もイタリアなどと比べると優等生と劣等生の差くらい違います。きちんと整頓されていて整然としています。イタリアのミラノにもありましたが、特設の屋外アイススケートリンクがありました。子供サポート用のペンギンは良いアイデアだと思いました。
 次の目的地はパリです。まず電車でフランスのストラスブールへ出て、ここでパリ行きの電車に乗り換えました。どちらの列車もコンパートメント二人占め、ゆったりとご機嫌でした。パリへ近づくにつれ外は雪で真っ白でした。まるで吹雪の中を突っ走っているようでした。





≫ パリ


 パリは雪でした。とても美しく印象的でした。東駅に着いたのですが、北駅近くにホテルをとるつもりで10分ほど歩いて北駅のホテルインフォメーションに行きました。紹介してもらったホテルは、地下鉄を2度も乗り換えたところにあるケネディホテルでした。エッフェル塔のすぐそばでした。凱旋門にも地下鉄で2駅のところです。寒さにもめげず、雪のパリをホテルまで歩きました。ホテルへ付いた時は結構ばて気味でした。部屋からはエッフェル塔も見えてご機嫌でした。パリの雪景色に出あえるなんて最高です。気を取り直して雪の中を夕食に出かけました。久しぶりに中華にありつけました。こういう嗅覚はかみさんの得意技です。たらふく食べて風呂で暖まり、ゆっくり床につきました。シャンゼリゼの夜の照明は、それはすばらしいものでした。
 
次の日、雪の中モンパルナス駅からルマンへ向かったのですが雪で電車が途中で止まり、またバスに乗り換えです。今度は経験済みですから”ラッキー”余裕綽々です。最高の旅になりました。バスで駅を一つずつ止まって行きます。駅周辺の家々が雪に飾られてとてもきれいでした。帰りには電車が開通していて、ウェルサイユ宮殿駅で降りて雪の宮殿を見ることが出来ました。
 夜は頑張ってシャンゼリゼ通りのヴェスビオというレストラン(昨年もここへ来ました。)でサーモンステーキをとってワインワインで乾杯しました。帰りにオペラ座まで歩いてラファイエットデパートの素晴らしい照明を見て、地下鉄で帰りました。地下鉄駅からケネディホテルまで歩いて1Km程あります。雪の中を歩きながら、雪のパリをみた興奮がずっと続いていました。





≫ 雪のヴェルサイユ宮殿


 ベルサイユ駅を降りて外へ出ると、薄暗くなっていました。ベルサイユへの道順は案内標識がありすぐに分かりました。シャーベット状の雪道を20分ほど歩くと宮殿に着きました。中を見ようと受付へ行ったのですが、時間が過ぎて入れないとのことでした。
でも入場係のおばさんが手招きしてそっと入れてくれました。中は豪華で広々していてすばらしいものでしたが、宮殿からみる雪景色も素晴らしいものでした。





≫ ルアーブル


 ユーレイルパスが1日分余っていたのでサラザール駅から西海岸方面行きの列車に乗りました。ドーバー海峡のどこかへ行けば牡蛎がが食べられるだろうと思ったからです。列車はセーヌ側の下流に沿っていて、景観は変化に富み車窓を楽しめました。セーヌは川の岸になるような物はなく、岸の部分が湿地帯になっていて、川と地面部分の区別が付きません。洪水の時はどうするのかなと思うほどです。自然のままになっていて見た限り人の手が入った形跡がありません。日本のセネコンのお偉いさんが見たらよだれが出るのではないかと思ってしまいました。残念ながらルアーブルにはヨットハーバーしかありませんでした。あとで調べたらここから北か、南へちょっと行けば牡蛎を食べらる所があったようです。やはり事前の調査は必要かもしれません。大西洋とヨットを見て帰りました。サラザールで列車を降り、その足で北駅まで行って、駅前にある魚介のレストランで牡蛎をたらふく食べました。ここは半年前にも来たところです。パリの最後の晩はここで食べるのが定番になってしまいました。




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